配膳ロボットにAIを搭載して、さらには独自機能を持たせることにまで成功したのがOrionStar社のLuckiBotです。
LuckiBotには「LuckiBot」と「LuckiBot Pro」の2種類があり、どのような違いがあるのか、どちらを導入すれば良いのか悩んでいる方がいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、LuckiBotとLuckiBot Proの機能を比較して、導入を検討する際に必要なポイントをまとめました。ぜひ本記事の内容を参考にLuckiBotの導入を検討してみてください。
LuckiBotとは?
こちらでは、AI配膳ロボット「LuckiBot」について詳しく解説します。
OrionStar社製のAI配膳ロボット
LuckiBotを製造するOrionStar社は、2016年9月に設立された先端的なサービスロボットソリューション企業です。
AIを活用した配膳ロボットのLuckiBotは「君がいてくれて、よかった」と言ってもらえるように、人と共に働く仲間としての活躍を期待して設計されています。
2022年に開催された北京オリンピックで、OrionStar社製のロボットが活躍していた実績があるなど、普及率も認知度も広がりつつある製品です。
AI搭載で自走できる
OrionStar社製のLuckiBotと他社の配膳ロボットとの大きな違いは、AIが搭載されていることです。
AIが搭載されていない配膳ロボットの場合、レールやマーカーなどに沿ってしか移動できず、使用環境によっては移動が制限される場合もあります。
また、導入時に店舗改装を必要とする場合もあるなど、導入前から複数のハードルが生じてしまうデメリットも抱えています。
一方でAIを搭載したLuckiBotは、自ら障害物を検知して回避したり、自身の位置から最適な移動ルートを選択したりすることが可能です。落とし物や出したままのイスなど、一時的な周囲環境の変化でも柔軟に対応できるのが、AIを搭載したLuckiBotならではの特徴だと言えます。
パソコンを使わずマッピング可能
配膳ロボットを導入する際、ひとつの障害になるのが使用環境のマッピングです。
従来の配膳ロボットでは、マッピングのためのパソコン操作や設定方法に慣れる必要があったり、ソフトに対応したパソコンを新たに購入したりする必要があるなど、いきなり導入するには難易度が高い点がネックでした。
一方で、LuckiBotのマッピングには、パソコンは必要ありません。
スマートフォンやタブレットを使う感覚で、搭載されたタッチパネルでマッピングを行えます。(※パソコンを使用したマッピングも可能)
パソコンの操作や設定方法を覚えたり、新しいパソコンを購入したりする必要がない点は、LuckiBotを選ぶ大きなメリットです。
LuckiBotができる3つのこと
AI配膳ロボットのLuckiBotができることには、大きく分けて3つあります。
それぞれの内容について、詳しく解説します。
1. 配膳・下げ膳だけではない対応力
多くの配膳ロボットができる配膳や下げ膳だけでなく、幅広い対応力がLuckiBotの魅力です。
例えばタッチパネルに商品の紹介動画やイメージ画像を表示しながら、お客様に話しかけて、注文内容についての提案もできます。
トレーの上にチラシやクーポンをのせれば、店舗外での集客活動にも対応可能。店の入り口にLuckiBotを配置すれば、お客様を出迎えたり、空席へと案内もできたりします。
LuckiBotの幅広い対応力であれば、配膳・下げ膳のみに対応した配膳ロボットよりも、従業員の負担を軽減する効果に期待できるでしょう。
2. ChatGPT搭載で31以上の言語に対応
LuckiBotにはChatGPTが搭載されており、接客時にお客様と多言語で会話できるのがポイントです。
LuckiBotが話せる言葉は、日本語や英語だけでなく
- スペイン語
- ロシア語
- アラビア語
- 中国語
- フランス語
など、31か国語以上の言語に対応しています。LuckiBotを導入すれば、さまざまな国からの観光客に対して、必要に合わせた言語で接客が可能です。
3. 病院やホテルなどでも活躍
LuckiBotが活躍する場所は、レストランだけではありません。
病院では病院食の配膳だけでなく、外来患者の道案内、医師の代わりに薬やカルテを運搬もできます。
ホテルであれば、チェックインの手続きや客室への案内、ルームサービスの配膳にも活躍可能です。他にも、博物館や美術館であれば道順の案内や展示品の説明、工場や倉庫では部品や資材の運搬もこなせます。
さまざまな活躍の場に対して、LuckiBotであれば安心して仕事を任せることが可能です。
その他、OrionStar社の配膳ロボットの導入事例は、こちらのページで詳しく紹介していますのであわせてご確認ください。
LuckiBotとLuckiBot Pro 7つの違い
ここではLuckiBotとLuckiBot Proを比較したい方に向けて、以下の7つの違いについて詳しく解説します。
- タッチパネルの大型化
- 積載能力がアップ
- 料理認識カメラを搭載
- 広範囲の障害物を検知可能
- 稼働時間の大幅な改善
- 走行の安定性がさらに向上
- 選べるドア付きモデル
基本的には、LuckiBot ProがLuckiBotの上位モデルです。各種機能面が向上しているため、内容を確認してみてください。
1. タッチパネルの大型化
LuckiBotに搭載されているタッチパネルは、10.1インチの縦向きです。
一方のLuckiBot Proには、大型の14インチのタッチパネルが横向きに搭載されています。
タッチパネルを大型化することで、お客様が画面を見やすくなり、操作性も上がりました。また、ロボットの顔が大きく表示できるようになったことで、豊かな表情をお客様に伝えやすくなるというメリットもあります。
また、マッピングの調整や各種設定などの操作性が向上しているため、従業員にとってもメリットです。
タッチパネルの大型化は、お客様と従業員の双方にとって、操作性と視認性の向上を期待できる重要なポイントだと言えます。
2. 積載能力がアップ
総積載量がLuckiBotから20kgアップして、LuckiBot Proでは一度に60kgも運べるようになりました。
積載能力がアップしたことで、今までは移動できなかった重量物を載せられます。
配膳は1日1回ではなく、10回や30回と、何度も行うことがほとんどです。1回の積載量が増えることで、より効率よく配膳や運搬業務をこなせます。
特に、製造コストの改善を常に求められている工場では、部品の運搬効率が生産コストや作業効率にも大きな影響を与えるので、積載能力は重要な判断基準です。
重たいものや数が多いものを運ぶ場面での使用を想定していたり、配膳効率を重要視したりしている場合は、積載能力がアップしたLuckiBot Proを選ぶのがおすすめです。
3. 料理認識カメラを搭載
LuckiBot Proに新たに搭載された機能が、料理認識カメラです。トレーにのせられた料理をお客様が取ると、料理認識カメラが検知して、LuckiBot Proは配膳完了と認識します。
お客様が何か操作をしなくても、LuckiBot Proは自動で次の配膳、もしくはバックヤードに移動を開始するのがメリットです。
他にも、360°スマート環境灯で、トレーにのせた料理を照らすこともできます。
料理にライトを当てて、より鮮やかにおいしそうに見せることで、お客様の食欲をかきたてられるでしょう。また、お客様が料理を取る際に、手元が見えにくくなることも防いでくれます。
4. 広範囲の障害物を検知可能
LuckiBotは衝突を回避するセンサーとして、3Dデプス検出(マルチセンサーソリューション)を搭載しています。
そしてLuckiBot Proには、LuckiBotに搭載されたセンサーをさらに発展させた、240°3D全方位障害物認識と深度カメラを搭載。
床に転がった醤油差しなどの小さな容器でも、センサーが正確に検知します。検知機能が強化されたことにより、障害物への衝突や転倒のリスクを軽減しているのがポイントです。
お客様や従業員の行き交いが激しい店内でも、LuckiBot Proであればよりスムーズな配膳ができます。
5. 稼働時間の大幅な改善
LuckiBot Proはバッテリー容量がアップしたことで、稼働時間がLuckiBot(最長10時間)より、さらに6時間向上しました。最長16時間の稼働時間を得たことにより、営業中に充電が切れる心配が少なくなったのがメリットです。
また、今までは充電が必要になった際、従業員が充電ケーブルをLuckiBotに挿す手間が必要でした。しかし、LuckiBot Proに同梱している充電パイル(充電ポート)を設置することで、LuckiBot Proが自ら充電を行えるようになります。よって、充電切れを心配することも、充電ケーブルを挿す手間も必要ありません。
6. 走行の安定性がさらに向上
LuckiBotは、グレードサスペンションを搭載することで、走行中の高い安定性を誇っていた。さらにLuckiBot Proでは安定性を向上させるため、自動車にも採用されているトーションバーサスペンションへと改善しています。
従来よりも振動に強くなったため、汁物や飲み物などの液体をこぼしにくくなったのがポイント。また複雑な起伏にも対応できるようになり、屋外のアスファルトでも安定した走行を実現しています。
店舗の床材に隙間がある場合や、店舗の外やテラス席での使用を想定している場合は、走行の安定性からLuckiBot Proを選ぶのがおすすめです。
7. 選べるドア付きモデル
LuckiBot Proでは背面部にカバーが付いたことで、配膳物が落下する確率が低くなりました。加えてLuckiBot Proには、前面に自動開閉ドアのついたLuckiBot Pro Autodoorというモデルもあります。
前面ドアが付くことで配膳物が落ちづらくなるだけでなく、ホコリから料理を守る役割も果たしているのがポイント。誕生日のケーキや記念日のサプライズなど、お客様のイベントに配慮した配膳も可能です。
ドアの安全面にも配慮がされていて、お客様や従業員がドアに指を挟まないように、指挟み防止の安全機能がついています。
LuckiBot Pro Autodoor収納の各層スペースは、LuckiBot Proより大きな69L ×2段の合計138Lです。
しかし、総積載量はLuckiBot Proより20kgも少ない40kg、トレーの数も2段に減少している点には注意してください。
LuckiBotとLuckiBot Proの性能比較表
LuckiBotとLuckiBot Proの性能を下表にまとめたので、選ぶ際の参考にしてください。
LuckiBot | LuckiBot Pro (LuckiBot Pro Autodoor) | |
サイズ | 530 × 500 × 1320 mm | 558 × 525 × 1375 mm |
重量 | 39kg | 59kg |
スクリーンサイズ | 10.1インチ | 14インチ |
総積載量 | 40kg | 60kg (40kg) |
トレー数 | 最大4層 | 最大4層 (最大2段) |
稼働時間 | 最長10時間 | 最長16時間 |
充電時間 | 4.5時間 | 4.0時間(充電ケーブル使用時) 4.5時間(充電パイル使用時) |
充電方法 | 充電ケーブル | 充電ケーブル 充電パイル |
例えばレストランでの導入であれば、料理にホコリが混入することを防ぐ食品プロテクター。
ドリンクを安全に運ぶため、トレーに装着するカップホルダー。
タッチパネルに装着する猫型ヘッドギアも用意されています。
また、長期的に使用するためには保守点検や、偶発的な故障修理に対するメンテナンスなど、アフターサービスも必要不可欠です。
LuckiBotやLuckiBot Proについて詳しく知りたい方や、導入を検討している方は、下記のリンクをクリックして、お気軽にご相談ください。
>>LuckiBotとLuckiBot Proの購入に関するご相談はこちら
まとめ
LuckiBotとLuckiBot Proを比較すると、大きな違いは7つでした。
いずれの違いも使用目的や環境に合わせて、LuckiBotの性能を改善したり特化したりするものです。
したがって、任せる仕事の内容や配置する環境に合わせて、LuckiBotもしくはLuckiBot Proのどちらを導入すべきかを検討するのが良いでしょう。
これから共に働く仲間として、職場にぴったりなLuckiBotを迎えてください。