近年、飲食店で配膳ロボットをよく見かけるようになりました。配膳ロボットの導入を考え、どれを購入すべきか比較している店舗もあるのではないでしょうか。
多くのメーカーから配膳ロボットがリリースされていますが、その性能はさまざまで、失敗しないためには事前によく検討することが大切です。どのようなポイントに着目して比較するべきか、配膳ロボットのメリット・デメリットとともにご紹介します。
目次
配膳ロボットとは
配膳ロボットとは、その名の通り自動配膳ができるロボットのことです。センサーを搭載しており、障害物や人を避けながら、指定された場所まで料理や備品などを自動で運ぶことができます。最近のモデルには、AI(人工知能)を搭載している配膳ロボットもあり、ヒトとのコミュニケーションを取れるロボットも登場しています。
2020年に流行した新型コロナウイルスの影響で、非対面・非接触の対応が推奨されるようになりました。この影響により、配膳ロボットの導入が急速に進み、現在では大手飲食店を中心にさまざまな店舗で活用されています。
配膳ロボットを導入するメリット
配膳ロボットを導入することで、さまざまなメリットがあります。
まずは人手不足を解消できることです。配膳・運搬に人材を割く必要が無くなるため、スタッフはそれ以外の作業に専念することができます。少ない人数でも営業に余裕が出てくるため、調理や清掃など、他の作業のクオリティアップにも繋がるでしょう。
そして、配膳ロボットにより非接触での接客が可能となります。新型コロナウイルスなど、流行している感染症を予防するには、やはり他人とできるだけ接触しないことが大切になってきます。配膳ロボットは非接触で料理や備品などを届けることができるため、感染症対策にも効果的です。
また、配膳ロボットの中には、搭載されているディスプレイに顔を表示できるものもあります。ニコニコと笑顔で動いたり、喋ったりすることができ、エンターテインメント性にも富んでいるのもメリットです。
配膳ロボットを導入するデメリット
配膳ロボットには魅力的なメリットがたくさんありますが、一方でデメリットもあります。
まずは導入コストが高いことです。性能によって左右されますが、配膳ロボットは1体につき200~350万円ほどのコストがかかります。しかし、リース制度を利用することで、導入コストを抑えることが可能です。また、対象の事業者であれば、配膳ロボットの導入に補助金を利用することもできます。
例えば、東京都では介護施設等を対象に自走式掃除ロボットまたは配膳ロボットの導入に要する経費を補助する支援事業を実施しています。補助金基準額は1施設あたり240万円です。このような補助金を利用すれば、初期費用を大きく抑えられるでしょう。
また、配膳ロボットのコミュニケーションに対して冷たい印象を感じるお客様がいる点もデメリットのひとつです。しかし、ディスプレイに顔を表示できるモデルを選ぶことで、冷たい印象を払拭することができます。人間のようにコロコロと変わる表情には独特の愛嬌があり、温かみを感じられるでしょう。
配膳ロボットの比較で見るべきポイント
現在、配膳ロボットは多くのメーカーからさまざまなモデルがリリースされています。同じメーカーの配膳ロボットでも、性能によってお店との相性は変わります。配膳ロボットを導入するなら、自分のお店に合ったものを選ぶことが重要です。
ここからは、配膳ロボット選びに失敗しないための、比較の際に見るべきポイントを解説します。
導入後のロボット運営管理体制・コスト
配膳ロボット導入後は、ロボットの稼働状況監視や、レイアウトを変更した場合はマップ変更等が必要になります。リモートで稼働状況の確認、故障時の診断、マップ編集、ソフトウェアアップデート、オペレーション改善ができる配膳ロボットはまだまだ少ないのが現状です。
そのため、リモート操作ができないロボットでは、状況確認や設定変更のために導入店舗まで行く必要があり、人件費・交通費がかかります。一方で、リモート操作ができるロボットは、こうしたコストや手間を削減できるため、非常におすすめです。導入後の日々の運用管理体制の面から、リモート操作ができるかどうか比較することは重要です。
カスタマイズ性
カスタマイズ性が高い配膳ロボットの中には、さまざまなシステム(POS、勤怠システム等)やソフトウェアとのAPI連携が可能なものもあるので、店舗に導入しているシステムとの一貫管理ができます。
また、配膳ロボットとテーブルトラッカーの連携により、お客様の座っている席まで配膳や下げ膳を行うことができます。
(例)座席指定のないフードコートの場合、注文時にお客様にテーブルトラッカーを渡すことで配膳ロボットがお客様の位置を認識し、自動で配膳作業を行うことができます。
スタッフの操作しやすさ
配膳ロボットに料理や備品を乗せるだけでは、目的の場所まで運ぶことはできません。配膳ロボットは完全に自動で動くわけではなく、ある程度は人間の指示が必要です。そのため、配膳ロボットの操作性は必ず確認しましょう。
操作のしやすさを考えたとき、チェックした方がよい点は3つほどあります。
1点目はディスプレイの大きさです。ディスプレイが大きい方が見やすくなり、またタップ位置がずれることでの誤操作も減らせます。
2点目はUIがどれくらいシンプルであるか確認すべきポイントになります。複雑な操作が必要なものは、マニュアルを確認する手間がかかるだけでなく、指示のミスが起こるリスクも考えられます。
3点目はロボット本体からどこまで設定の変更ができるかです。簡単設定はロボット本体のディスプレイや端末でできても、詳細設定はPCでしかできない配膳ロボットもあるので注意して選びましょう。また配膳ロボットのメーカーの中には、操作を簡単にするため、アプリケーションを開発しているメーカーもあるので、この点にも着目するとよいでしょう。
このように、配膳ロボットの操作性はスタッフの負担に直接関わってくる点です。導入の際には、店頭や展示会などに足を運び、実際に手で触れて使用感を確認することをおすすめします。
走行の安全性
食べ物や飲み物の配膳、工具や備品の運搬においては走行時に高い安全性が必須となります。以下の点は必ず確認することをおすすめします。
・スピード調整範囲
・障害物の検知能力(検知速度、検知距離、検知可能な障害物のサイズ)
・トレーの丈夫さ
・車輪の個数
・自動開閉扉の取り付け可否
配膳以外の機能性
配膳ロボットは飲食店や介護施設・老人ホーム、ホテル、カラオケ、病院、倉庫、工場、オフィスなどさまざまな場所で活躍します。そのため、使うシチュエーションに合わせた機能が搭載されているかをよく確認しましょう。
配膳ロボットと呼ばれている中には、単純な配膳・下げ膳以外にもさまざまな機能をもつロボットもあります。例えば以下をご参照ください。
・季節や時間帯(朝昼晩、平日、週末など)に応じて、移動しながらディスプレイや音声を使って商品やイベントなど複数の宣伝を行うことができるロボット→売上UP・来訪者数UP
・ヒトと自発的なコミュニケーションを取れるAI(人工知能)搭載のロボット→お客様からの質問への対応、多言語対応
こうした機能を備えているロボットは、配膳・下げ膳以外にもシチュエーションに合わせて使い分けることができます。
まずはシチュエーションに合わせて、「このような機能があったら便利」「この機能は必須」などの希望を整理し、そのうえでそれぞれの性能を比較してみましょう。
一度に運べる量
配膳ロボットは製品や構造によって一度に運べる量が変わります。工場の資材や施設の備品、大量のお皿などを運ぶ可能性がある場合は「最大荷重」に着目しましょう。最大荷重とトレーのサイズが大きいものは、それだけ一度に運べる量が多くなり、作業効率が上がります。
飲食店やホテルなど、接客の場で配膳ロボットを使用する場合は「段数」を確認しましょう。段数が多いほど、一度の運搬で対応できる人数やテーブル数が多くなり、より多くのお客様に満足してもらえるようになります。
更に、店舗用のトレー又は皿のサイズがロボットトレーと合っているかご確認しましょう。ロボットトレーが大きいほど、大型の業務用食器及び下げ膳の回収ボックスに対応しやすいです。
連続稼働時間・充電時間
配膳ロボットの連続稼働時間と充電時間は使いやすさに影響します。
配膳ロボットはコードレスで常に動き続けるため、連続稼働時間が短いと営業時間中に停止してしまい、トラブルを招いてしまうかもしれません。特に営業時間の長いお店の場合は、充電時間の確保が難しいため、連続稼働時間を重視して選ぶことをおすすめします。
また、充電時間もできるだけ短いものがおすすめです。例えば充電時間が長い機種の場合、お店の開店時間に間に合わなかったり、突然の電池切れで充電が必要になっても、なかなか電池が貯まらずに接客の効率が落ちたりなどのデメリットがあります。
できるだけ充電時間が短い配膳ロボットを選んだ方が、幅広いシチュエーションに対応できるでしょう。
本体の大きさ
通路の広さに合わせた配膳ロボットを選ぶとよいでしょう。飲食店の場合は、ヒト1人分はすれ違えるくらいの大きさがおすすめです。
介護施設や病院、工場などの広い場所で使用する場合は、一度に多くのものを運搬するケースも考えられるため、大型の配膳ロボットを選ぶことをおすすめします。
このように、使いたい場所・状況に合わせて本体の大きさを選ぶと失敗しにくいです。
配膳ロボットの見た目
配膳ロボットでの接客に、システマチックで冷たい印象を抱くお客様も少なくありません。温かい印象を感じてもらうためには、ディスプレイに顔や企業のキャラクターを表示できる機種等、デザインをカスタマイズできる配膳ロボットを選びましょう。お店の雰囲気や演出を大切にしたい場合はぜひこの点も検討してみてください。
まずはシチュエーションに合わせて、「このような機能があったら便利」「この機能は必須」などの希望を整理し、そのうえでそれぞれの性能を比較してみましょう。
ORION STARロボットは幅広い業種に対応!
配膳ロボットはさまざまなモデルがあり、比較すべきポイントもたくさんあります。その中でもやはり重要なのは、必要な機能が搭載されているかどうかです。デザインや本体の大きさなども大切ですが、機能面は効率や使いやすさに影響する部分であるため、まずは必要な機能から考えて比較しましょう。
「ORION STARロボット」は、飲食店はもちろん、ホテルや老人ホーム、病院、オフィスなど幅広いシチュエーションで活躍する、便利な機能満載の配膳ロボットです。さまざまな機能によって、単に人手不足を解消するだけではなく、付加価値が高い業務に集中し、顧客満足度向上にも繋げられます。配膳ロボットの導入を考えている方は、ぜひご検討ください。